Paulownia House
手芸・料理・お菓子のことと、たまに真面目なことを書いています
母の味
最近山芋が安いので、ついつい丸ごと1本買ってしまいます。
山芋といえば、結婚当初、旦那に山芋のてんぷらを食べさせたら驚いていたのを思い出します。どうやら、旦那の実家では山芋はすりおろして食べるか、短冊に切ってポン酢かけて食べるぐらいで、何より「火を通して食べる」ということが無かったらしいのです。逆に、私の実家では、生で食べることの方が少なく、素焼きにしたりすることの方が多かったので、旦那の反応が意外だったのを覚えてます。
私の場合、実家の父が高血圧で、子供の頃から減塩生活をしていたことの経験が大きく影響しています。山芋にしても、短冊に切って出すとどうしてもポン酢や醤油などを掛けてしまうので、焼いて薄く塩味をつけることで余計な塩分を取らなくするようにしていました。鶏肉なども、モモ肉の皮を剥いで使ってました。その昔母に「いちいち皮を剥ぐのが面倒だからむね肉にしたら?」と言ったら、母は「むね肉だと味が淡白すぎるから駄目」と、毎回もも肉の皮を剥いで使ってました。減塩食というものは、ともすれば味気ない、下手すれば美味しくないものになってしまいます。けれど、高血圧症の人にとって食事は治療なので、美味しくないから食べない→隠れて味の濃いものを食べる、となってしまっては駄目なので、減塩食でも美味しく食べられるようにしなきゃ駄目なのだと、母が言ってました。その時は成程~と思いましたが、今考えると、愛なんですよね、きっと。
さて、こんな母の料理で育った私は、山芋といえば焼く・煮る・揚げる。
我が家で一番多いのは素焼き。1センチ厚さに切った山芋をフライパンでこんがり焼き、かるーく塩を振って食べるというごくごくシンプルなものです。けど、子供たちはこれが大好きで、1本の山芋がみるみるうちに子供の胃袋に吸い込まれていきます。同じように、蓮根なども素焼きにして食べてます。次に多いのは、同じく1センチ厚さに切った山芋を、醤油と味醂で下味を付けた豚肉で巻き片栗粉をまぶして焼く、というこれまた簡単なものです。下味を変えれば色んな味が楽しめるので、大人向けにはしょうがを入れたりゆずコショウを入れたりしてます。
ちなみにこのの写真は、醤油と味醂で味付けしたものです。
それから、これは、鶏もも肉の皮をフライパンでこんがり焼いて、大根おろしとポン酢であえたものです。
焼いている時に出る油はキッチンタオルなどで全部吸って、脂分を出来るだけ残さないようにするのがコツです。これも、子供の頃によく食べたものです。本当はネギを掛けると美味しいのですが、生憎ネギを切らしてました。
母にいろいろ教わったお陰で、高校卒業と同時に一人暮らしを始めても食生活に困るということはありませんでした。忙しい母を週末手伝うくらいでしたが、面倒臭がらすに教えてくれた母に、いまさらですが感謝しています。
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